『Soul Bound Token』ってなに?って思った方、これから少しだけ概要をご紹介します。
SBTの主な用途ととは『証明』になります。
例えば
- 個人の経歴や実績の証明
- イベント参加の証明
- 賃貸借契約の証明
- 医療記録
- 運転免許証やパスポート
SBTは第三者から与えられるもの(第三者から証明されるもの)で、譲渡不可能なNFTを意味します。
個に紐づいたトークン
一体なんなのか?
『Soul Bound Token』という言葉を初めて使ったのが、イーサリアム創設者の一人、あのヴィタリック・ブテリン氏です。
これはブテリン氏の論文で発表され、(英語なので細かい部分はわからないのですが多くの方が翻訳されています。)分散型社会の譲渡不可能なトークンということらしい。Soulは、ブロックチェーンと暗号資産の新しい技術で金銭価値を市場に提供することを求めていないのです。
では、私たちがよく知ってるNFTは?
NFT(Non-Fungible Token)
代替不可能な…でしたよね?
代替不可能なデジタルデータ…偽造や改ざんが難しいブロックチェーン技術によって一つしかないそのデータに固有の価値がつく。例えばコンサートチケットの座席が決められているものなら、同じものとして交換はできないってことです。(違う席との交換や譲渡はできるけど。)
そう、これらはNFTマーケットプレイス市場で取引や譲渡が可能ですね。そしてNFTは、資金調達のトークン・デジタル資産の金銭的価値を持っています。
NFTは誰でも販売可能で、自作のイラストや音楽もNFTとして作成して売り出すことができるんです。
今私たちが知っているNFTは、ウォレットと呼ばれるツールを使って譲渡可能。アートを転売したり、他の人から購入したりでき、ウォレット間でやりとりしています。
また「トークン」と呼ばれている暗号通貨も売買できることで価値が上下し、その前提で発行されています。
SBT(Soul Bound Token)
では個に紐づくSBTは?譲渡が不可能?売買される目的ではなく、価格が上下しない?
そもそも、SBTは最初に述べたように『証明』でしたよね。
- 大学などが証明する、卒業証明書
- 金融機関が証明する、金融市場での信用スコア
- 公的機関が証明する、運転免許証・パスポート
- 医療機関が証明する、医療履歴
など、第三者が証明する『証明』で、基本譲渡ができない個人のアイデンティティとなります。
これらはヴィタリック・ブテリン氏によると、従来のウォレットではなくSBT専用アカウントの「Soul(ソウル=魂)ウォレット」と呼ばれるものになるということ。そしてそのSoulは個に紐づき、自己証明できるものになるということです。
売買される用途のものではありませんね!
ちなみにブログコンテストに参加して、参加証明として「POAP」というものをいただきました。これも譲渡不可となっていますが、今のところ従来のウォレットに入っており、なんちゃって証明ですけど…
NFTと違うところは、購入・販売・取引ができないということです。
SBTのできること
卒業証明書
先日千葉工業大学で、日本国内初のNFTによる学習歴証明書(デジタル証明書)を発行されました。
これからの時代において、学生の就職活動も大きく変革を迎えることは言うまでもありません。もはやグローバル社会へと向かっています。このデジタル証明書を持つことにより、大学での学習の履歴や習得したスキルなどの成果をより簡単にアピールできるようになるでしょう。海外留学でも広く活用できそうですね。
これらはブロックチェーン上に記録されるため、簡単に偽造もできません。そして、信用のある大学から証明されたものですのでまさに個に紐づく証明書になります。
さらにSoulで証明データを管理されるようになれば、様々なプラットフォームに接続し素早く学びの成果をアピールすることが可能となります。これに先駆けいち早くNFT証明書を発行された千葉工業大学の取り組みは素晴らしいですね!
このように各大学が発行する卒業証明書がSBTで見れるようになれば、もはや経歴詐称もなくなるはず…
運転免許証・パスポート・医療履歴
色々な証明書として使われていくなら、免許証やパスポートなどの本人確認ができるものもその可能性はあります。
さらに医療記録も普通持ち歩きませんが、何か緊急時にも役に立ち治療のミスマッチも未然に防げそうです。
つまり、カルテを個人で持つということ。
金融市場での信用スコア
今言われているSBTの可能性は、金融市場との関わりが深くなるようです。
先に挙げた金融市場での信用スコアのところです。
Soulにより第三者へ信用を証明できるため、無担保での貸付に利用できるとされています。現在個人の信用情報を簡単には知ることができませんが(中央集権的なネットワークで信用情報は管理されている)SBTが利用できるようになればSoulが信用情報として知ることができるようになります。もちろん貸付後の返済完了もSBTで証明できますね!
SBTによって身分や経歴を示せるようになれば、それが信用の担保となりうるのです。
これは画期的すぎますね!!
*SBTは自身で‘公開範囲’を決めることができます。出す情報と出したくない情報を自身でコントロールできるのです。
新たな可能性
では、そのほかにどういった活用が考えられるでしょうか?
今まで示した内容は、ヴィタリック・ブテリン氏が論文で発表していたほんの一部ですが。。。
実はとても高度な技術に、Soulというものによって持ち主本人の個性を表すプロフィールとなり得ます。
例えば一緒に仕事をしたいパートナーを選ぶ際には、その人の実績や信頼が見え人格まで知ることができそうです。
ここである1冊の本をご紹介します。
成田悠輔さんの『22世紀の民主主義』という本で、どんどん吸い込まれて読んでしまいました。
この中の一部に、選挙の票について書かれていたところがあって、これは面白いな!と思いました。
前後をすっ飛ばしているので著者の本当に伝えたかった意味とは少し違ってしまいますが、票の効果に提言がありました。
選挙の1票
今私たちは選挙に一人1票を投じています。若い人たちに「選挙」へ行こう!と呼びかけますが、なかなか投票に行かないですよね?
そもそも日本の政治に興味がない、もしくは投票したところで期待が持てない。それは私も感じるところなのでわかります。だって、かなりの年配者が政治を行っていて、それに有権者も年々高齢化している。そこの票が多くをしめ、その有権者に向けた政策が発信されることも多いように思います。
そこでこの本の中に出てきた選挙の票の考え方に、若い世代の1票は2ポイントとか3ポイント。働き盛りよりも上の方の1票は1ポイント。とすれば、若い世代の票(意見)が反映されるようになるというもの。うーん、気に入らない人も出そうですが、とてもいい方法ではないかと思いました。これから先の未来を長く生きる人たちの意見や希望が伝わりそうですよね。
ありがとうトークン
そこでこれもあったらいいなと思う一つのアイディアですが、感謝を評価するありがとうトークンというものがあったとします。感謝する人へ送ることができるもので、個人が一定数保持しています。(若いうちは持ち数は少ないけれど、人生経験が多いと持ち数は多くなる)それを、特別に感謝を伝えたい人へ送ることができます。窮地を救ってもらったり、命の危険から救ってもらったり、社会に貢献したなどの感謝を示すトークン。これを送られた人はありがとうトークンが示す人間性の評価となります。
この第三者が示すありがとうトークンで、候補者の人柄を知ることができそうじゃないですか?
まとめ
『Soul Bound Token』は利用されるアイディアや設計、そして実装される具体的な方法はまだこれから見つけていくことになります。そして私たちの社会で広く利用されていくことが予想されます。
(Soul Bound Tokenは、2022年中に利用可能になるという)
あなたが誰で、どんな実績や信頼があるのか?どのような権利を持っているか?などのSBTを組み合わせることでこれからのweb3の時代に大いに活用できるでしょう。
ブロックチェーン技術が使われるこれからの時代、さらに分散型社会へ進んでいくことになるでしょう。
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